それがあなたの真実です。 |
ここ数年、時折お会いする華道家がいます。
氏のお話を伺う中で、ふと心に留まった「それがあなたの真実です」という言葉。きっと思想のないまま、何となく人と同じように生ける弟子に対しての戒め、開眼を促す言葉なのでしょう。
豊かさの裏返しなのか、美しい四季はあるものの、年中行事にしても食べ物にしても、何となく季節感が薄れ、平均化しているこの国で、もしかしたら「自分にとっての真実」がわかりにくくなっているのかもしれません。
花に縁のあるお宅に生まれ、子供の頃から流派の花を学ばれ、いつしかそこから離れて現在、氏にとっての「真実」の花の世界を築き上げた生き様を見るにつけ、氏の発する「真実」という言葉の重みにはっとさせられることが多々あります。
1月4日、官公庁も仕事始め。
午前中、市役所で用事を済ませ、その足で取引先のデパートへ出向きました。デパートのエスカレーター付近で30代と思しき若い男性がストールを販売していました。
聞けば兵庫県で自分と他2人で裂を織り、ストールに仕上げ、新しいブランドを立ち上げ、目下売り出し中なのだとか。
その素晴らしい発色と手に馴染む柔らかさ、現代的な感覚から、「個性的な素晴らしいものを作るんだな~、これが彼にとっての真実なんだよな・・」と、つい私も件の華道家の常套句を言ってみたくなりました。
それぞれが個を生かした真実の仕事をする。
今年もきっと素晴らしい1年になるだろうな、、そんな予感がしました。
